4/12/2014
贅沢貧乏による演劇、家プロジェクトその2『東京の下』。場所は、江東区北砂の一軒家。
舞台というくくりで一応書いているものの、実際に舞台はない。小さい2階建て一軒家の中で3人の役者が演技をしており、その間を15人弱の観客が自由に動き回りながら観る。触れようと思えば簡単に触れることのできる距離に全ての人がいるのだ。
まず最寄りである西大島駅につくと、スタッフから脚本の一ページのような一枚の紙を渡される。そのト書き部分に、会場である一軒家までの歩き方が言葉で書いてあるので、それに従い10分ほど歩く。
これはおもしろい。最近では多くの人がスマートフォンを持っている。知らないところへ行く際は、画面上で現在地が動く優れものの地図を使い、それを見つめながら歩く。知らない場所を歩く時こそ、わからない故いつも以上に神経を研ぎすませ、それによりその土地や場所特有の空気を感じるものではなかったのか。
この駅で渡される紙により、スマートフォンを見ることはなくなり、自然とその後の作品へと気持ちが向く。
先述の通り、時に動く役者に、好きなようについていく。同時進行的にあちこちで物語が進むため、観客はどこで何を観るかを常に考え選択する。
身体と頭を使いながら観ることにより、通常客席からみる時よりも、より深く、体験として享受することができると感じた。
ロンドンで観たPunchdrunkによる”The Drowned Man”が、私にとってこのようなスタイルの成功例としてモデルになっている。日本人には、自ら率先して動いていかなければならない、このような能動的なやり方は不向きかもしれないとも思うが、もっとひろがっていってほしいと思う。